つづれ織り歴史
 
 
 

 

 
 
「爪織綴錦」は、織幅、模様の粗密、糸の色数・素材・太さ・撚り具合などを、自由に選べます。そのため精緻な絵柄も自由に表現できますが、それゆえに技術者の技術力や美意識が製品に反映しやすく、同じ絵柄でも技術者によって微妙に味わいの違うものが仕上ります。

「爪織綴錦」では、色の違うヨコ糸は、それぞれ左右に織り返されるので、
タテ糸とタテ糸の間に隙間ができますが、機械織りはヨコ糸が織幅いっぱいに通ってしまうので、「ハツリ孔」ができません。
「爪織綴錦」と他のつづれ織りはこの「ハツリ孔」があるかないかで簡単に見分けることができます。

 

 
つづれ織りの技法は織物の原点というべきもので、その発祥は太古バビロンに遡ると云われています。実際に、紀元前千三百年頃に織られたと思われるエジプトのコプト裂、二千年前の中国漢代の綴錦、約一千年前の南米のプレインカのつづれ織りなど、古代文明発祥の地では多くのつづれ織りが発見されております。日本では、千二百年前の正倉院御物に渡来品かどうかはわかりませんがつづれ織りの裂があります。
つづれ織りの技法は、多くの糸で模様を織りだそうとすれば誰もが必然的にたどり着く技法で、どこかの地方から世界各地に伝えられたのではなく、古代からそれぞれの地域に独自に生まれたと考えられています。
 
 
つづれ織りの中でも特に「爪織綴錦」は、「爪の美術品」と呼ばれ、高い芸術性を持つ織り物の最高級品として国内外で高く評価されています。

「爪織綴錦」は、手織機に織幅いっぱいタテ糸を張り、そのタテ糸を一本おきに上下させて、その隙間にヨコ糸をつけた杼(ひ)を通して織っていきます。
タテ糸の下に図柄が左右逆になった下絵を置き(織手に面する側は織物の裏に当たるため)、その図柄を見ながら何色ものヨコ糸を使い分けて絵を描くように模様を織ります。
無地以外は織幅全体に通るヨコ糸はなく、無地部分と模様の部分が別々のヨコ糸で織り進められ、織り上がった部分は、ヨコ糸がタテ糸を包み込んでしまい、タテ糸は全く見えません。

「綴(つづ)る」という名がつけられるのは、一本一本のヨコ糸をノコギリ状にギザギザに刻んだ爪先でかき寄せて織り上げていくためで、その作業は図柄が織り上がるまで数カ月から何年もかか るものもあります。それだけに織りあがった作品は素晴らしく、爪の美術品の名にふさわしい優美な美しさを備えています。
 
柳は陽の植物で、中国では梅と共に春の先駆けとして尊ばれ吉祥を表す植物とされています。この柳に、橋・流水・水車を配した柳橋水車図は、桃山時代に成立した大和絵の典型的な意匠で、世人に愛され、多様化した意匠が数多く生まれています。

柳橋水車図に空へ向って郡飛ぶ千鳥を配したこの袱紗の意匠もその一つです。つづれ織りはタテ柄の細かい線と曲線、そして丸が特に難しいのですが、この意匠はそれが複雑に入り組んでいます。
柳の線の柔らかさや波のなめらかな動きを出すためには、織手に卓越した技術と優れた美意識、多彩な表現力が求められます。
和やかでありながら、躍動感にあふれ、詩情豊かなこの袱紗の意匠は、非常に精緻で最高の格式を誇ります。

 
 
 
 
 
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